奇貨居くべし 天命篇 (中公文庫)



奇貨居くべし 天命篇 (中公文庫)
奇貨居くべし 天命篇 (中公文庫)

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『奇貨居くべし』(春風篇、火雲篇、黄河篇、飛翔篇、天命篇)

中国古代史の真髄に迫る大著だと思います。
当時の世情や人間関係の妙を巧みに表現しており、初心者には受け入れ易い作品であり、熟達者にとっては思考に訴えかけてくる刺激的な作品であると思います。
また、秦の始皇帝ばかりが強調される時代における呂不韋の存在と影響を知ることのできる稀少な作品ではないでしょうか。
始皇帝の父?

賈人として、地位を確立するまでの
青春時代から秦の宰相として統一の道筋を
つけた晩年までが描かれています。

孟嘗君の最後も描かれ、その他の戦国四君も
登場します。
「孟嘗君」「楽毅」「青雲はるかに」と一緒に読むと
理解が深まると思います。

政の成長とともに呂不偉の理想が崩れていく。
呂不偉が抵抗しなかったのも法に対する
彼の理想だったのかもしれません。

宮城谷氏の著書の中でもおすすめしたい作品です。
物語は良いのだけれど・・・

理想の民主主義社会まであと一歩というところで、どうしようもない君主、どうしようもない女に全てを狂わされてしまった呂不偉。それでも悄然と天命を受け容れた呂不偉の生き方がとても哀しく思えた。

なぜ呂不偉は全てを受け容れられたのか、政を倒しても良かったのではないか(そうなると歴史が変わってしまうけれども・・・)と悔しく思う。というわけで、ラストが哀しいので星4つの評価だけれど、本当は星10個くらい付けたい作品である。

つまり、政治というものは、部下だけでなく、上に立つ人間も、全て道理が分かっていないと国をろくでもない結果にしてしまうということで、つくづく今の政治家に読ませてあげたい本だと思う。



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